最近、ココフォリアがうちの卓の標準装備になってきている。
他卓の人が聞いたらびっくりするかもしれないけど、今までは「どどんとふ」……はもう終わったか。……とか、「ユドナリウム」とかの他のセッション用ツールも使ってこなかったんだよね。うちの卓は。
残りHP、SANとかの値も、ダイスロールも、Discordのチャット機能のみで全部管理。この環境で「ダアト」とか「ととと」とかの名セッションが生まれてるの、すごいなあ……といつも思う。Sasaくんいつもありがとう!
というわけで、我が卓のココフォリア第一人者としては、嬉しい限りです。いや、かく言う私も去年の6月くらいまでは指一本触れたこともなかったんですけどね?そんな上からモノを言える立場ではない。少なくとも。
でも、なんだかんだ使い始めてそろそろ1年経つので、人並み以上には使い方が分かるようになりました。有用に扱えているかどうかはともかくとして。
で、そうそう。ココフォリアを使うメンバーが増えてきているのは嬉しいのだけど、やっぱり慣れないツールで部屋作りとかに苦心しているメンバーが多いかな。
出来ることなら私がみんなの素敵な部屋作りのお手伝いをしてあげたいのだけど、最近はPLとして参加しているシナリオが多いから、あまり踏み込んだことができないのがもどかしい。
幸い、ココフォリアは普通に使うだけならそんなに理解が難しいものではないから、Youtubeとかに転がってる「ココフォリアの使い方!KP(PL)編」みたいな動画を2本ぐらい見てもらえれば、たぶん8割ぐらいは私と同じ知識が持てる。
というか、ココフォリアでやたら凝った部屋を作る人はみんな変態だと思ってくれていい。勿論誉め言葉。「部屋作り」なんて大層な言葉では言うけれど、正直それっぽい前景とキャラ駒をドーン!と置くだけで最低限の役割は果たしてるのよね。
そして、ここからは普通じゃない使い方をしたい変態のタマゴであるみんなに向けた文章です。もう一度言っておくけどこれは誉め言葉。部屋作り真面目にしててえらい!(大声)
まあうちの卓の人たちってみんなこだわり凄いから、割と全員に当てはまりそうだけどね……自作シナリオとかだったらなおさら。
まあそういうわけで、各機能の詳細な仕様とか、1年間ココフォリアを使っていて気付いた・知ったイロイロとかを、みんなに共有しようと思う。そんな大したことじゃあないけどね。何かしら各々のやりたいことのタネになったら幸いです。
各メイン機能の紹介
…あ、ちなみに、ここに書かれていることの8割は、ココフォリアの公式ドキュメント(説明書)を読めば書いてあります。それにプラスして、私が思いついた使用法なんかを具体例として挙げているぐらい。私の文章は長くて取っ散らかってるものが多いので、たぶん分かりやすさで言えば公式ドキュメントの方が確実に上です。
あとは、ココフォリアを別ウィンドウで開きながら読んでもらえるとより分かりやすくなるかな。
キャラクターパネル
もっとも基礎的なパネル。あんまり説明は要らないんじゃないか?とか思ったりするけど、そんなこたあないよ。べらぼうに機能が詰まってます。
「マイキャラクター一覧」から+を押して追加するか、各キャラシ作成・出力ツールからクリップボードにコピー&貼り付けで追加できます。ただし後者の場合は、「ステータスを非公開にする」「盤面キャラクター一覧に表示しない」設定がオフになっているので注意。
セッション中に貼り付けをしたりすると目立つし、見られたくないステータスを見られたりする可能性があります。そういうことを防ぎたい場合は、前者の「マイキャラクター一覧」から直接追加する手法を取りましょう。チャパレとかはあとでコピー&ペーストで良し。
しまう・自分の駒にする
右クリックなどから行えますが、ちょっと注意が必要な操作なので先に紹介。特に「しまう」は勘違いしやすい。これ自体は一旦盤面からキャラ駒を消せるだけなんですけどね。
まず、各キャラクターパネルを作成したプレイヤーには「所有権」が存在します。所有権を持っていると、チャットでそのキャラクターが選択できるようになったり、マイキャラクター一覧から自分のキャラクターを閲覧できるようになったりします。
そして、「しまう」「自分の駒にする」を行うと、そのキャラクターの所有権は「しまう」「自分の駒にする」を行ったプレイヤーに移行します。
これは、親切なGMがPCのキャラ駒を予め用意しておいて、「各々しまったりして自分の駒にしてください」などといった時には役立つのですが、あろうことかこれは他人が所有しているキャラ駒にも行えるので、最悪誰かのPCを誤って奪ってしまう……なんてことが起こりえます。
PCだと「S」や「T」の単押しがショートカットになっているので、事故にはご注意ください。せめてShift+Sとかにしろよ!
イニシアティブ
キャラクターの行動順を表す値です。値が大きければ大きいほど早く行動できます。CoCの場合はDEXがこれに当てはまるかな。
まあ行動順がうんたらというよりは、左上に表示される「盤面キャラクター一覧」の並び順って言った方が適切なのかも。行動順とかの概念が存在しないTRPGとかもあるしね。
ステータスやパラメータのように、「{イニシアティブ}」や「{initiative}」と入力することで変数としても扱うことができるよ。
あとは、イニシアティブが100以上だと盤面キャラクター一覧には99+として表示されます。また、同イニシアティブでは並び順がランダムになり、ルーム内でも見ている人によっては並び順が違うように見えることもあるから注意。
「同DEXか。特に異論なければこの並び順で進めちゃうね。Bさんから」
「ん?次Cさんじゃない?」
駒サイズ
初期値は4。ここの値は、そのキャラクターパネルに設定された画像の横の辺を基準にして大きさが変わります。下の画像は、各縦横比のキャラクターパネル(駒サイズはすべて4)と、4×4のスクリーンパネルを並べたものです。
同じサイズでもこんなに違いがあります。
立ち絵・差分
+ボタンを押して予め画像を選択しておくと、チェックボタンを押して容易に立ち絵を変更することができます。
また、ラベル名を設定しておくと、入力したチャットの末尾に反応して立ち絵差分を切り替えることができます。半角の「@」を使ってラベル名をチャットに反映させないようにするのが一般的。
@以降のテキストはチャット欄に表示されない例えば、あいうえお@かきくけこと送信すると、表示されるのはあいうえおだけですが、かきくけこがチャットの末尾の文字として認識されます。
例えば差分のラベルに@怒ると設定してXXX@怒ると送信すると、画像が切り替わってチャット欄にXXXと表示されますが、@怒るは表示されません。
また、@通常のように最初から @ をつけた状態で送信した場合、チャット欄には何も表示されず、ただキャラクター画像が差分に切り替わります。
これを使って、カットインと同じ要領でクリティカルやファンブルの時に立ち絵を自動で変更することもできます。ダイスロールのドラマに彩りを加えよう!
ステータス・パラメータ
括りとしてはどちらも同じですが、ステータスは盤面キャラクター一覧にもバーで値が表示され、値の編集が容易になります。ただし、一度に表示されるのは8個までです。
また、ステータスの現在値が最大値の80%を下回ると文字の表示が赤くなります。不定の狂気に入ったときにわかりやすいね!(元気)
工夫次第ではこんな使い方もできます。
そして、パラメータはそうじゃない方です。ステータスの下位互換だと思われがちですが、こっちは数字だけでなく文字なども入れることができます。たとえば「1D6」などとダイスロールコマンドにすることも。
ステータスやパラメータを削除したい場合は、ーボタンを押すことで一番下の項目から削除されます。任意で選んだ項目は削除できないので注意してください。
また、各ステータス・パラメータは、変数としても扱うことができます。要するに数字を持ってこれるやつってこと。最たる例は正気度ロールかな。
「1d100<={SAN}」といった感じのやつ。
半角の波括弧{}でステータス・パラメータ名を囲うと、変数として機能し、設定されている値が参照されます。例えばSTRの値が10ならば、{STR}と入力することで、処理上は10と入力したのと同じ扱いになります。
CoCだと他には能力値ロールぐらいしか使い道がないかもしれませんが、パラメータの数やバフデバフなどが激しいゲームシステムでは大いに役立つ機能です。
ステータスを非公開にする
エネミーなど、あまりプレイヤーにステータスを見てほしくないキャラクターに使える設定です。
オンにしておくと、そのキャラクターの所有権を持っているプレイヤー以外は、あらゆる情報へのアクセスが不可能になります。これはルームマスターであっても同様です。
具体的には、
- 盤面キャラクター一覧からの「編集」が不可能になる
- キャラクターコマからの「編集」が不可能になる(ルームマスターは可能)
- 盤面キャラクター一覧にステータスバーが表示されなくなる(所有権を持っているプレイヤーのみ見える)
- 盤面キャラクター一覧から参照URLが開けなくなる
- 盤面キャラクター一覧のイニシアティブが、所有権を持っているプレイヤー含めなんで??「??」と表示される(並び順は変わらない)
という感じです。これらの制約は、「監視者モード」が有効になっているルームマスターならば無視できます。
ちなみに、の悪い話。
ココフォリアの仕様上、非公開のキャラクターの詳細が完全に閲覧不可になっているわけではないです。
盤面上にそのキャラクターのコマがあるなら、コマを右クリックして「しまう」「自分の駒にする」などを行えば所有権を奪って自分に移せるので、強引ではありますがそのキャラの編集画面を見ることができます。
もちろんそんなことをすれば元のキャラの持ち主にバレますが、もっと言えば「複製」してから「しまう」を行えば完全に証拠が残りません(犯行現場を見られない限り)。
この抜け道を防ぐには、そもそも盤面上にキャラクターのコマを置かないか、ステータスなどが入っているキャラ駒とは別で、盤面に置く用のキャラ駒を作っておくとよいでしょう。
そもそも非公開設定にしてるのに普通のプレイヤー権限でこれができるのがおかしいんだけどね!
スクリーンパネル
「マーカーパネル」と並ぶ2大画像パネル(2つしかないけど)の一つです。
マーカーパネルと違い、シーンを跨いでも表示され続けるのが特徴です。このことから、マップの表示や、取得したアイテム画像の表示、部屋装飾アイテムの表示などに適しています。
盤面に追加するだけなら、「プレイヤー」以上の権限を持っていれば誰でも可能です。「『スクリーンパネルを追加』ボタン」「画像を盤面にドラッグ&ドロップ」など。「サブルームマスター」以上なら、上部の「スクリーンパネル一覧」からも追加できます。
追加されたときのデフォルトの横幅と縦幅の設定は画像によって変わります。右クリックの「編集」などから変更可能です。ココフォリアでは「24px = 1マス」ということを覚えておくと、部屋素材を自作するときなどに便利でしょう。
デフォルトの重なり優先度は、マーカーパネルを含めた、そのシーンに存在する最大の重なり優先度を持ったパネルと同値になります。たとえば500の重なり優先度を持ったパネルがそのシーンに存在するならば、(そのパネルが盤面になくても)次に追加されるパネルの重なり優先度は500になります。
また、スクリーンパネルに関わらず、ココフォリアにアップロードする画像は5MBのサイズ上限があります。PNG・BMPファイルは特に引っかかりやすいです。また、サイズが1MBを超えた画像をアップロードすると、圧縮するかどうかのポップアップが出ます。GIF・APNGなどの動く画像ファイルは圧縮してしまうと動かなくなるので注意しましょう。
メモ
ここに何かしらの文章を書き込んでおくと、このスクリーンパネルをマウスオーバーしたときにその文章が表示されます。スマホだと確か長押しで表示できます。
シナリオ内で登場したアイテムの説明や、PL内での共有メモ、現在の目的の表示などに使えるでしょう。
配置固定
読んで字の如く。正確には位置だけでなくサイズも固定されています(編集画面からは変えられる)。設定を有効にしている間は、カーソルを合わせたときのグレー表示がなくなり、ドラッグすることができなくなります。
まともに部屋作りをしようと思ったら間違いなく一番使う項目です。
サイズ固定
「パネルの端をカーソルで掴んでビヨンビヨンに引き伸ばしてしまった……」みたいな事故をなくすことができる項目です。位置を固定しなくてもいいパネルならば基本的には有効にしておいたほうがよいでしょう。小さいパネルならばなおさら。
地形パネルとして扱う
基本的にスクリーンパネルはルームマスターが管理することが多いです。部屋装飾とかミニマップとかに使うからですね。
そして、そういうパネルは決まってサイズが大きめです。もしそんなパネルがたった一回の「R」キー押下で大回転してしまったら大変なことになります。セッションどころじゃなくなります。
ココフォリアはやたら単押しのショートカットが多く誤爆しやすいので、この設定も特別な理由がなければ有効にしておくと事故を減らせます。というかそろそろパネルとかをいじれなくする権限をくれ。
高度な設定「クリックアクション」
スクリーンパネルをクリックした時に、設定したテキストをチャット欄に送ることができる設定です。クリックした瞬間に送信するので、うまく使えば色々な場面で時短したり、演出に使えたりします。
たとえば、
- 「1d6」というテキストを仕込んだダイスの画像のスクリーンパネルを用意し、直感的なダイスロールを行える
- 予めカットインを設定しておき、「@銃声」などと仕込んでおけば音が鳴らせる
- 「/scene」コマンドと合わせて、シーン遷移を行える
- 「/pdf」コマンドと合わせて、クリックするだけで簡単にPDFを表示することができる
…など。パッと思いついたものだとこれぐらい。
下の動画は使用例。
パネルを非表示
キャラクターパネルの「しまう」にあたる操作です。盤面からそのスクリーンパネルを消すことができます。スクリーンパネルごと消えるわけではないです。
また、「スクリーンパネル一覧」の目のボタンからも簡単に表示非表示を切り替えられます。
「プレイヤー」権限でも行えるので注意。
拡大表示
ココフォリア内で、そのスクリーンパネルに表示されている画像をポップアップで表示できます。ただそれだけ。
元のサイズ・ファイル形式でそのまま表示してくれるので、「この画像欲しいな…」と思ったら拡大表示して保存するとよいです。
背面画像・非公開にする・自分だけ見る
実はスクリーンパネルのみ、表と裏の2種類の側面を持っています。
右クリックのメニューから「非公開にする」の操作を選ぶと、そのスクリーンパネルの見た目があらかじめ「背面画像」として設定されていた画像、すなわち裏面に切り替わります(設定していなかった場合は、半透明グレーの画像になる)。
この状態で「全体に公開する」の操作を選べば、スクリーンパネルが元の表面の画像に戻ります。カードみたいな感じです。
また、「自分だけ見る」の操作を実行すると、実行したプレイヤーにのみ表の画像が見え、それ以外には裏の画像のみが見える状態となります。また、この状態では、スクリーンパネルの中央に実行したキャラクターの名前が表示されます。誰に表面が見えているのか分かりやすいぞ!
そして、「自分に表面が見えている状態」ならば、マウスオーバーで書かれているメモを表示することができます。クリックアクションも機能するぞ!逆に言うなら、裏面の状態ではこれらが行えず、「編集」画面に移ることもできません。
こんな感じでなかなか面白い機能ではありますが、裏面になっている状態でも他のプレイヤーは「全体に公開する」「自分だけ見る」を選べるというココフォリアくんのガバ親切な仕様があるので、ズルをしようと思えばできるということは覚えておいてください。非公開キャラクター駒のときとおんなじ。
ちなみに裏面の状態では「複製」もできなくなるので絶対にバレます。
これらの仕様はルームマスターでも適用されるものの、「監視者モード」が有効になっていれば全てを見通せるので安心してください。
カードデッキ
前述の「背面画像」などを応用したスクリーンパネルの拡張機能が「カードデッキ」。簡単に言えば、何枚ものスクリーンパネルが重なって存在しているスクリーンパネルです。誰しも疑問に思ったであろう「あの何に使うか分かんないトランプのパネル」もカードデッキ。
カードデッキは、2枚以上の、「横幅も縦幅も同じサイズのスクリーンパネル」をピッタリ重ねた時に右クリックのメニューから「山札を作る」を選択することで作成することができます。
作られたばかりのカードデッキの画像は何も設定されていないので、適宜設定する必要があります。カードデッキの画像は、まとめたスクリーンパネル全ての背面画像になるぞ!
カードデッキにまとめられたスクリーンパネルは、「1枚引く」「10枚引く」などすると山札からランダムに出てきます。また、この操作をして出てきたスクリーンパネルは自動的に「自分だけ見る」状態になっています。
「裏向きのまま1枚引く」は読んで字の如く、裏面(非公開状態)のままカードを引く操作です。引いたプレイヤーも表面が分からないドローです。
ドローされたスクリーンパネルは、通常のスクリーンパネルと特に変わりなく操作できます。「山札に戻す」、またはカードデッキから「全て集める」を選択すると元の山札へ戻っていきます。
また、山札に新しくカードを追加したい場合は、同じサイズのスクリーンパネルをカードデッキに重ねて「山札に追加する」を選択すれば追加できます。
CoCだと使い道がないかもしれませんが、「インセイン」の狂気カードなどでは大いに役に立ってくれるはずです。今度狂気表カードとか作ってみようかな?
マーカーパネル
「スクリーンパネル」と並ぶ、2大画像パネルのうちのもう一つです。
スクリーンパネルの項で紹介した通り、「あるシーン内でしか表示されない」のが特徴。シーンを切り替えると、前のシーンに設定されていたマーカーパネルは表示されなくなります。
その性質から、「シーン内での探索箇所の表示」「ミニマップでの現在地の表示」「戦闘シーン用の装飾」などの使用用途に向いています。
スクリーンパネルと同じく誰でも追加できるパネルではありますが、画像を盤面に直接ドラッグ&ドロップする手法は取れません(スクリーンパネルとして追加される)。
ぶっちゃけ言うとこのぐらいで、実は「シーン内でしか表示されない」以外の機能はほとんどスクリーンパネルと変わりません。
それどころか、
- パネルを回転させる
- パネルを非表示にする
- 全体に公開する・非公開にする
- 自分だけ見る
- 拡大表示
- 山札に戻す・山札を作る・山札に追加する
上記の操作がごっそりと無くなっているので、素の機能だけ見たらむしろ下位互換とも言えるかもしれません。
ですが、シーン機能をうまく使いこなせれば、シナリオ演出において非常に有用なパネルになってくれます。あまりシーン使うようなスタイルじゃない私が言っても説得力ないけどね
動くぞ!マーカーパネル
マーカーパネルの有名な仕様として、「シーンを跨いで同じマーカーパネルを使っていると、位置やサイズなどの情報が変わったとき、それらが動的に変化する」というものがあります。一言で言われても分かんないね!
つまりはこういうコト。
わかりやすく、「シーンA」と「シーンB」があったとして。
「シーンA」で使ったマーカーパネルを盤面から削除せずに、位置やサイズを変えてから「シーンB」として保存すると、スーッ!とマーカーパネルがその形に変化するんです。
これが何かと革新的で、GIFやAPNGといった動く画像ファイルに頼らず、盤面へ動きを加えたいときに便利です。なんなら今言った二つを組み合わせれば無敵になれます。
下に私の使用例を載せておきます。
シナリオテキスト
シナリオに出てくる書物やよく使う定型文などを予め取り出しやすいようにしまっておける機能です。「シナリオテキスト一覧」から+を押せば「新しいノート」として作成できます。複数作成した場合は並び順をドラッグで変更できます。
シナリオテキストに文章を設定しておくと、「シナリオテキスト一覧」から、いつでもワンボタンでチャットに設定した文章を送信することができます。このとき、「タイトル」に書かれたテキストがチャットの送信主の名前になります。
また、シナリオテキストに格納したテキストは、「サブルームマスター」以上の権限を持っていれば、設定した文章に含まれるワードをチャット欄に打ち込むことで予測変換として引き出すことができます(タイトルは含まない)。
この場合は前述のように「タイトル」が送信主の名前に書き換えられることがないので、NPCに喋らせたい定型文があった時などに便利です。
シーン
前景や背景、マーカーパネル、BGMなどの盤面の状態を保存しておくことができる機能です。上部の「シーン一覧」から+ボタンを押すだけで「新しいシーン」として保存することができます。複数作成した場合はドラッグで並び順を変えることができます。
シーンとして保存されるのは前述の4つのみで、スクリーンパネルやキャラクターパネルの位置、キャラクターのステータスの現在値などは保存されません。
保存したシーンは、「シーン一覧」からサムネイルをクリックすることで即座に呼び出すことができます。サムネイルとして登録されるのは、前景(なければ背景)です。
「シーンタイトル」は、自分が分かりやすいものにするといいでしょう。/sceneコマンドで指定するときにも使います。
また、「シーン切替メッセージ」を設定しておくと、そのシーンを呼び出したときに自動で設定したメッセージを送信してくれます。描写を書き込んだり、カットイン発動メッセージを入れておくとよいでしょう。シナリオテキストと同じく、メッセージの送信主は「シーンタイトル」になります。
「盤面を保存」でシーンを上書き保存できます。確認ポップアップは出ないので間違って違うシーンを上書きしないように注意しましょう。
「BGMなしで反映」「テキストなしで反映」は読んで字の如くです。特に前者は使うことが多いような気がします。
カットイン
「ダイスロールでクリティカル」、「館から聴こえる怪物の唸り声」、「シーンチェンジで扉を開く」。こうした状況を聴覚的、あるいは視覚的に盛り上げてくれるのがカットインです。「カットイン一覧」から+ボタンを押せば「新しいエフェクト」として追加できます。
「タイトル」として設定したテキストをチャットの末尾で検知するとカットインは発動します。立ち絵差分とほぼ同じですが、「失敗」と「致命的失敗」など、末尾が被っている二つのカットインが存在する場合は重複して起動するので注意しましょう。
カットインには画像と音源の2つをセットできます。もちろんいずれかを設定しないようにもできます。画像を設定する場合は、思ったよりもルームの中央にポツンと表示されるということを覚えておきましょう。APNGなどの素材を拾ってくるのがオススメです。
また、音源を一緒に設定していると、その音源の再生が終わった際に自動で画像が消えます。これによってカットインで画像を表示する時間を調節することもできるでしょう。設定していない場合・音源が再生されている間はプレイヤーが操作するまで消えません。
参考までに私がいつも設定しているカットインを。
「成功」「失敗」などはいちいち振る度に鳴ってくどくなってくるので入れません。1クリは特別に強調したいので被らないように出目を個別で設定しています。100ファンも同じく。また、「> 決定的成功」をセットするのはよく忘れがちです。25%未満の技能でクリティカルするのはめでたいので盛大に祝いましょう。
「>」まで入れておくと、末尾の被りや予期せぬエラーを防ぐことができます。「決定的成功/スペシャル」「スペシャル」はいい例でしょう。
あとはシナリオに合わせていくつか入れておくと楽しくなります。以上!
その他機能
ルーム設定など、特にメインとは言えない機能を並べていきます。
そういえば私が紹介しなかったものの中に「ダイスシンボル」というものがありますが、私がアレを使っているシステムを知らないので、紹介しません。スクリーンパネルの一種で、結構面白いパネルではあるんだけどね。強いて言うなら、シノビガミのプロットとかには使えると思います。気になったら自分で仕様をチェックだ!(丸投げ)
チャット機能
メッセージの編集
誤字、特にテキストセッションなどで、文字を間違って入力したこと、一度や二度ではないはず。そんな時には、自分のキャラクターの発言にカーソルを合わせて、鉛筆のマークを押せば発言を訂正できます。
当然ですが、文章を訂正しても、コマンドやカットイン、立ち絵差分のラベルなどの機能は起動しません。ダイスロールの結果を修正することもできませんので、受け入れましょう。
秘匿メッセージ
昨今のシナリオでは、しばしば「秘匿メッセージ」なるシステムがよく見受けられ(言うて昔からあるけど)、セッション中にKPからPL、またはPLからPLに対して、誰にもバレないようにメッセージを送らなければならないときがあります。
ココフォリアにはそんな秘匿メッセージ機能が標準搭載されています。
ルームチャットで喋っているキャラクターにカーソルを合わせると、メッセージの左に「➦」マークのようなボタンが現れます。
これを押すと、そのキャラクターの所有権を持っているメンバーとの秘匿チャットタブに移り変わります。ここで送られたメッセージは送り主とそのメンバーの間のみで共有され、それ以外のメンバーが見ることはできません。
ただし、この秘匿メッセ―ジは、たとえ監視者モードをオンにしたルームマスターですらも見ることができません。なので、シナリオで扱う際にはKP to PLオンリーでの使用となるでしょう。そもそもPL間で秘匿チャットを送り合う形式が珍しいんだけどね。
卓向けにちょっとした私の意見戯言を。「PLtoPLの秘匿チャットをシナリオに取り入れたいけど、内容はKPも把握しておきたい!」という場合は、Discordとかでグループを作るのがベストだとは思います。トーゼンだけどね。
でも、秘匿チャット用の部屋をKPが作成するのも面白そうだなと思います。Aさんから「Bさんと秘匿チャットがしたい」とか申し出が来たならば、それ用の部屋をパッと作って、AさんとBさんをその部屋に招いて。
満たしたい条件は満たしてるし、PL間で立ち絵ありの秘匿チャットもできるし、何よりシナリオが終わったあと全員で見返したいときに便利です。「秘匿チャットをハッキングして盗み見ることができる」という能力ギミックを作ったら、そのままURL渡して……みたいな面白いこともできそう。
致命的な弱点を2つ挙げるとするなら……たとえばPLが8人いたとしたら最悪28個もの部屋を作る必要が出てくることと、KPもPLも見る部屋が多すぎてどこの誰から誰へメッセージが送られてるのか分からなくなることですかね!
また、この秘匿メッセージも完全に隠蔽されているわけではなく、(サブ)ルームマスターが行える「全ログ出力」で確認することができます。秘匿メッセージは誰に見せても大丈夫な内容でやり取りしましょう。
ルーム設定
監視者モード
キャラクターパネルやスクリーンパネルの項でも軽く触れた通りです。有効にすると、ルームマスターが伏せられた情報を全て見通すことができるようになります。
具体的には、
-
盤面キャラクター一覧でステータスを非公開にしている自分のコマのイニシアティブが数字で表示されるようになる
-
盤面キャラクター一覧で、ステータスを非公開にしている他の人のコマのイニシアティブやステータスバーが確認できる
-
他の人のコマがステータスを非公開設定になっていてもダブルクリックで編集画面が開ける
-
裏面に画像が設定されていて全体に公開されていないスクリーンパネルの、表面の画像が透けて見えるようになる
以上の4つが変わります。
工事中モード
「部屋のリンクは公開したけど部屋の構成に一部ミスを発見した!」などというとき、プレイヤーに部屋へ入ってほしくないことは結構あると思います。そういう時には「工事中モード」を有効にしましょう。
有効にすると、「プレイヤー」以下の権限を持ったメンバーが部屋に入室したとき、上記の画像が表示されます。この表示は工事中モードを有効にした瞬間に表示されるので、既に部屋へ入室していたメンバーがいても大丈夫です。
工事中モードを無効にすれば、即座にこの表示も消えます。
自由配置モード
「スクリーンパネルやマーカーパネルがグリッド補正のせいで良い位置に配置できない……」というときに便利な機能です。
自由配置モードを有効にすると、全てのパネルがキャラクターパネルのように、グリッド関係なく配置できるようになります。細かい位置調整をしたいときに使いましょう。
無効にしても、(パネルの位置をいじらない限りは)位置が再び矯正されたりはしないので、「一部のパネルだけこだわりたい!」という時にも便利です。
旧ダイス演出を利用する
v1.27.0からココフォリアのデフォルトのダイスの仕様が変わり、ダイスロールしたとき、盤面へ3Dのダイスが転がるようになりました。なかなか臨場感のある演出で、ダイスをいっぱい振ると盤面にたくさん転がります。楽しいです。
ただ、この処理は若干部屋を重たくしてしまうため、プレイヤーによってはあまり好ましくない可能性があります。
そんな時は、v1.27.0以前の、メッセージウィンドウにダイスが表示される旧ダイス演出に変更すれば少し改善するかもしれません。
ルームデータのインポート・エクスポート
「CCFOLIA PRO」プランに入っていると、作った部屋の情報をZIPファイル形式にエクスポートすることができます。BASICプランでは隠しコマンドを使わない限りエクスポートはできません。
ただ、インポートするだけならばBASICプランでも可能です。「ルームデータのインポート」から部屋のZIPファイルを選択しましょう。何もない部屋でも、一瞬で素敵な部屋になります。
もっと簡単な方法では、盤面にZIPファイルをドラッグ&ドロップするだけでも読み込めます。
仕様上、音源ファイルのみエクスポートできないので、カットインなどの音源は自分で用意する必要があります。
メンバーリスト・権限
その部屋にアクセスしたことがあるメンバーを表示します。そして、ルームマスターのみが、プルダウンメニューで各メンバーの権限・デフォルトの権限を編集することができます。
各権限の詳細は「権限の詳細はこちら。」と青文字で書かれたボタンがあるのでそちらを参考にしてください(解説放棄)
ルーム変数
KP、PLの双方で使用したい変数があるとき、非常に便利な機能です。「ルーム変数」を開いて+ボタンーボタンで増やしたり消したりすることができます。あるいは、「/var」コマンドを使うことでも簡単に編集することができます。
キャラクター駒のパラメータなどと同じように設定でき(文字も入れられる)、それが部屋全体で作用します。最大16個まで作成できます。
シナリオテキストなどで「{HO1}に向かって…」といった文章を書き換える手間を削減することができますし、「シノビガミ」や「ソード・ワールド」などの目標値が頻繁に変わるダイスシステムでは{目標値}などといった変数を用意しておけば、プレイヤー側でコマンドを書き換える手間を省くことができたりします。
セーブ・ロード
スクリーンパネルやキャラクター駒などの状態も含めた盤面データを保存し、後で呼び出すことができる機能です。少し使い勝手は悪いですが、シーン機能の上位互換とも言える機能を有しています。
「セーブ」から空いているスロットを選択し、セーブデータ名を設定すれば保存できます。サムネイルは前景になり、設定されていない場合は「NOIMAGE」と表示されます。
ステータスやパラメータなどの値も保存してくれるため、シナリオを始める前にセーブをしておくと、部屋を使い回したい時やリプレイなどを作る時に役立ちます。そういうシナリオ演出とかもいいかもしれない。
ダイスコマンド
なんだかんだこれ紹介するのが一番有用なんじゃないか?って感じがする。チャットコマンド見れば全部書いてあるけどね
ちなみに、ほとんどのコマンドは、大文字小文字全角半角はすべて関係なく作用する。たとえ「cCb<=80」とかいう半ばギャル文字に近いグチャグチャのコマンドでも。何気に便利。
ただし、コマンドを入力した後に【アイデア】などとコマンド説明用の文字を付け加える時には、空白を入力しないとコマンドが作用しなくなる。
× CCB<=80【アイデア】
〇 CCB<=80 【アイデア】
CoC専用ダイスコマンド
たぶんみんなよく使うのはCoC6版のシステムだと思うので。
ちなみに、「CC<=」だったり「CCB<=」だったりで2種類あるのは、クリファンを1%で適用するか5%で適用するかの違いです。BはBattleの頭文字。
意外と知らない人が多いけど、戦闘以外でクリファンが5%になるのはハウスルールです。基本は01と00の出目のみ。あまりにも広く浸透しすぎてもはや公式ルールみたいな顔してるけどね!
抵抗表ロール
たとえばKPから「拘束から逃れるためにはSTR対抗をどうぞ」と言われたとき、自分のSTRと相手のSTRを見て瞬時に成功率が分かるだろうか。
分かる人も分からない人も、計算する必要はない。「抵抗」を意味する「Resist」の頭文字を取って、「RES(x-y) 」または「RESB(x-y) 」と入力することですぐに抵抗ロールができる。
xの値は受動側の値で、yの値は能動側の値。
故障ナンバー
クトゥルフの銃火器には故障ナンバーが設定されている。銃火器の技能ロールをした値が故障ナンバー以上になると、銃が弾詰まりを起こすなどして「故障」し、〈機械修理〉などで修復しなければ再度発射できなくなる…というルール。
実はココフォリアでも簡単に行える。「CC(x)<=」「CCB(x)<=」のように、CCコマンドの後の括弧内に故障ナンバーを入れこむだけ。
このコマンドでx以上の値が出ると、どんなに技能値が高くても結果が「故障」に置き換わる。何かの特殊ルールで使えるかも?
組み合わせロール
〈忍び歩き〉〈隠れる〉などを同時にロールすることを、「組み合わせロール」という(149p)。意外とよく間違えられているが、実はこのロールは1回だけしか振らないのがルルブ的には正しい。1回のロールで2つの技能値を参照する。ちなみに〈マーシャルアーツ〉+〈格闘系技能〉は組み合わせロールではない。
そんなココフォリアにも組み合わせロールのためのコマンドがある。「CBR(x,y)」「CBRB(x,y)」のふたつ。xとyには各技能値の成功率を代入する。
「CBRB(90,80,70)」などと入力しても3つの技能の組み合わせロールにはならない。
ステータスの値をいじる
敵から攻撃を受けて自分のHPを減らさなければならないとき、盤面キャラクター一覧を開いて、現在HPから受けたダメージを差し引いた値を計算して、その値になるまでカチカチカチカチ……あっ通り過ぎた、もう一度カチカチカチカチ……なんてやっていませんか?
比較的ステータスの変動幅が少ない(SAN値以外)CoCならまだそれでいいかもしれませんが、一気に2ケタの値がバンバン変動するような他システムなどではそうもいきません。
そういう時は、コマンドで変数を指定して、どれだけ増減させたいかを書き込み、ポチッ。がいちばんスマートです。
「:[変数名]±[整数]」がコマンド。たとえば「HP」のステータスを2減らしたいなら、「:HP-2」と入力すればよいです。逆に〈応急手当〉などで回復した場合は、「:HP+2」といった風に。
また、「:HP=999」と入力すれば、HPの値が999になります。
注意点として、パラメータの値はこのコマンドで変更することができません。文字とかも入れられるからね(もちろん=コマンドでも変わらない)。また、このコマンドは文字が全て半角でないと作用しません。厳しいぜ!
共通コマンド
どのゲームシステムのダイスボットを使っていても使用できる、BCDice由来のコマンドです。個人的に使えそうないくつかをピックアップして紹介していますが、他のコマンドや詳しいことはここを読めば書いてあります。
繰り返しコマンド
一度に何度もロールしたいときは結構ある。複数の同エネミーへ同時に攻撃させたくなった時とか、急に〈跳躍〉を50回振らなければならなくなった時とか。そういう時には繰り返しコマンドを先頭に付けておくと、そのコマンドを指定回数分繰り返してくれる。
繰り返しコマンドは「x[繰り返し回数]」「rep[繰り返し回数]」「repeat[繰り返し回数]」の後に空白をあけて使用できる。
シークレットダイス
「ダイスを振りたいけど他のメンバーに結果を公開したくないなあ……」という場面は多々あると思います。最たる例だと、〈心理学〉ロールとかね。あとは洞窟に潜んでいる夜鬼の数とかを咄嗟に1d100で決めなきゃいけない時とか。
そんな時は、全角でも半角でもなんでもいいので、空白をあけずに「S」をコマンドの前に付ければよいです。「s1d100」や「sCCB<=50」といった具合に。こうしておくと、自分だけに結果が表示されるダイスロールを行えます。カットインは適用されませんのでご安心を。
このロールは秘匿チャットなどと同じく、ダイスを振った本人でなければルームマスターでさえもその結果を確認することはできません。全ログ出力には残ります。
ただ、ダイスロールの値を公開しなければならなくなったときは、シークレットダイスのメッセージにカーソルを合わせると、メッセージ編集ボタンとは別に、他のメンバーへロールの結果を公開できる矢印ボタンが現れます。愉快なダイス目になったときに使えるぞ!
計算コマンド
ココフォリア(というかBCDice)では、「CCB<=80+15」「CCB<=85*5」「1d4+({DB}/2)」などコマンド中の四則演算は実行してくれますが、ただ普通に計算をしたいときはそのまま「1+1」などと入力しても実行してくれません。
ですが、そうした四則演算に「C」と一文字付けてあげるだけで、ココフォリアは簡単な計算機になってくれます。めんどくさい数字の計算をセッション中に行わなければならなくなった時に覚えておくと便利です。
ただし、小数点以下の結果が出る割り算の項は、選択しているダイスボットのゲームシステムによって切り捨てだったり切り上げだったり四捨五入だったりするので注意しましょう(クトゥルフの場合は切り捨て)。
小数点以下の扱いを指定したい場合は、切り捨てなら「F(loor)」、切り上げなら「C(eil)」または「(round)U(p)」、四捨五入なら「R(ound)」を項の末尾に付けるとよいです。
チョイスコマンド
戦闘の際、知性のない怪物へランダムに攻撃対象を決めさせるときなど、ランダムに対象を選ばなければならないときは多々あります。
そんなときに便利なのがチョイスコマンド。「choice(a,b,c,...)」「choice a b c ...」などで使用できます。abcの欄には選択肢となる言葉を入れましょう。
「これなら1dXとか打った方が早くない?」というのがぶっちゃけた意見だとは思いますが、チョイスコマンドの場合は自由に確率を偏らせられるのが魅力です。結果を文字で出力させることもできるので、カットインと組み合わせると楽しくなるでしょう。
頑張ればシノビガミのオリジナルシーン表なんかも作れます。(仕様的にすさまじい文字数になってチャパレとか圧迫するけど、要素を変数にぶち込むとかすれば行けると思う)
また、「choice2」などと入力することで、重複しない複数要素の決定が行えます。
そして、「アルファベットの大文字と小文字」「数値」に限定して、連続する要素を指定したいときは「choice(A-Z)」「choice(5-10)」などと省略して表記することができます。
スラッシュコマンド
ココフォリアに標準で付いているコマンドです。主にココフォリアの機能に関するものが多く、使いこなせればワンランク上の部屋作りができるでしょう。
ほとんどがルームマスターでないと使用できないので、クリックアクション等でプレイヤーにも行使させたい場合は、デフォルトの権限を「サブルームマスター」にする必要があります。
/scene [シーン名]
指定したシーンを呼び出すことができるコマンドです。(サブ)ルームマスターのみ使用可能。シーン名は完全一致でないと呼び出せず、「/scene 〇〇 @カットイン」といったようなコマンドは無効化されます。
実際にチャットで打つよりは、クリックアクションなどに仕込んでおく使い方をすることが多いです。うまく使えば脱出ゲーム風の部屋を作ることができるでしょう。
15分ちょいで作った、”それっぽい感じ”の「毒入りスープ」の部屋。手抜き。
/save [セーブデータ名] /load [セーブデータ名]
セーブ&ロードを行えるコマンド。(サブ)ルームマスターのみ使用可能。例にもよって完全一致でないといけません。
そもそもセーブ&ロード自体そこまで頻繁に使う機能ではないですが、これもクリックアクションに仕込んでおけば直感的に操作できます。セーブ地点なクリスタルの画像でも引っ張って来てはどうでしょーか?
/pdf [URL]
ココフォリア上でPDFを表示することができるコマンド。非常に便利。その代わり、Dropboxなどのサービスへ予めPDFをアップロードしておく必要があります。今回はDropboxをオススメしておきます。
Dropboxの仕様上、そのままファイルのURLをコピーしてきても、「PDFの表示に失敗しました」と貼り付けたURLのジャンプリンクと共にメッセージが表示されます。
これを回避するためには、
https://www.dropbox.com/. . . . .
の部分を
に変更すれば良いです。
あとはこれをクリックアクションにでも仕込んでおけば、ラクーにPDFをチラチラ覗ける素敵なボタンが出来上がります。
もちろんこのコマンド実行することでチャットに履歴が残ることはありませんし、ルームマスターでなくとも実行できるので、絵付きのシナリオ内書物などに非常にオススメです。
/var [ラベル] [値]
ルーム変数の値を指定したものに変更、あるいは新規作成することができるコマンドです。(サブ)ルームマスターのみ使用可能。値の部分を省略すると、指定したルーム変数が削除されます。
ルーム変数を変更できるので、使いようによっては非常に便利なコマンドです。値の「増加・減少」ではなく「変更」なので、クリックアクションというよりはチャットパレットに仕込んだほうが扱いやすいかもしれません。
/play [URL]
指定したURLのYoutube動画を流すことができます。(サブ)ルームマスターのみ使用可能。
このコマンドはルームマスターだけでなく、ルーム内にいる全メンバーに流れるので、何かの演出として使える……のかも。ちなみにシークバーの操作などはできません。音量変更なら行えます。
小技
書く場所がなかった・あるいは執筆中に思い出した、覚えてたらどっかで役立つかもしれないテクニックとか知識をまとめて書く場所。
前景を消す
部屋を組んでると、前景の存在が邪魔になるときがあります。そもそも前景自体が「消せない重なり優先度-1の配置固定スクリーンパネル」みたいな扱いだし。
厳密に言えば「背景として設定された画像をそのままトレースして、その上に前景として設定された画像を重ねる」という処理のため、NOIMAGEなどの透明・半透明な画像を前景にすると、背景の画像が前景になります。いやまあ、これも一つのテクニックとして扱えるんだけどね?
そういう時は、「前景・背景を変更する」から、縦幅と横幅(のどちらか)のサイズを0にしましょう。こうすれば前景は2次元的または0次元的存在になるため、端的に言えば盤面から消失します。やったぜ!
○○するまで振り続けるダイスロール
※ほとんどが仕様説明なので長いです。読みたくない人は最後のほうに便利(かもしれない)コマンドが置いてあります。
ココフォリアに搭載されているBCDiceには、愚かにも私自身が使い所を分かっていないコマンドが結構あります。その一つが、「個数振り足しダイス」。「xRy[>=振り足し値]>=目標値」「xRy>=目標値@振り足し値」などのコマンドで実行できます。
振り足しっていうのは、そのダイスをもう一回振ること。まあなんでも、「条件を満たした出目の個数だけ追加でダイスロールする」とかいう使えるんだか使えないんだかよく分からない概要で。
まあ要するに、「ダイスで出た目が振り足し値より○○だったらそのダイスを振り続ける。それはそれとして目標値より○○だったら成功としてカウントしておく。」……っていうコマンド。うーん分かりづらい。
もっと分かりやすいように具体例を挙げてみます。「2D6を振って、3以上ならば振り足し、5以上ならば成功」になるコマンドが以下のようになります。
2R6[>=3]>=5
この結果をもとに説明します。
実際にダイスロールしたところ、以下のようになりました。
2R6[>=3]>=5 (2R6[3]>=5) > 5,6 + 3,3 + 2,4 + 5 + 1 > 成功数3
「2D6の結果が並んでるのは分かるけど、途中から出目が1つだけになっている」というところに疑問を持った人がいるんじゃなかろうか。一つずつロールを見ていきます。
- 1投目。出目は5, 6。どちらも3以上のため、振り足し。また、どちらも5以上のため、成功数に2カウント。
- 2投目。出目は3, 3。どちらも3以上のため、振り足し。しかし、どちらも5以上ではないため、成功数はカウントしない。
- 3投目。出目は2, 4。2が出たダイスは3以上でないため、ここでストップ。4が出たダイスは3以上なので、引き続き振り足し。今回も成功はなし。
- 4投目。出目は5。出目が3以上なので、振り足し。また、5以上なので成功数に1カウント。
- 5投目。出目は1。出目が3以上でないため、このダイスはここでストップ。
- 結果、5, 6, 5の3つが成功。ダイスロール終了。
…というのが具体的な処理の流れです。
このように、振り足しの判定はダイス個別で行われるため、複数ダイスだと正直使い方が、つまり、こう……思いつかない。なんのシステムで振るんだろう?
また、「以上」「以下」などの条件を付けるためのコマンドは他にも複数あり、以下の6つがあります。
-
>= 「以上」
-
> 「より大きい」
-
< 「未満」
-
<= 「以下」
-
==, = 「等しい」
-
!=, <> 「異なる」
さて、複数ダイスだと処理が複雑ですが、ダイス数が1つならば結構便利だったりもします。以下に私が思いついたコマンドを挙げておきます。
80%の技能値を失敗するまで振り続け、成功数を数えるコマンド
1R100[<=80]<=80
シンプルに。出目が80以下なら振り続け、80以下で成功。「DEX*5が失敗するまで振り続ける」とか、そういう特殊ルールで使えそう。クリファンは気にしたら負け。
2D6で12が出るまで振り続け、試行回数を数えるコマンド
1R36>=0@!=36
スペシャル祈願。前述の通り2R6で振るとそれぞれのダイスが個別で振り足し判定されてしまうため、2D6で12が出る確率である36分の1を、「36面ダイスで36が出るまで振り続ける」という処理で無理やり実現したコマンドです。目標値を「0以上」にすることで実質的な試行回数のカウントになります。ちなみに、100回の試行回数で12が1回以上出る確率は約95%です。
適宜改変したりして、各々のやりたいことに合わせてください。
キャラクターパネルの上にパネルを表示する・前景の下にパネルを表示する
キャラクターパネルの項で言い忘れていましたが、ココフォリアではキャラクターパネルの重なり優先度は100に設定されています。そのため、スクリーン・マーカーパネルの重なり優先度を101以上に設定すれば、キャラクターパネルの上にパネルを表示することができます。
また、前景の重なり優先度は0に設定されているため、スクリーン・マーカーパネルの重なり優先度を-1以下に設定すれば、前景の下にパネルを表示することもできます。
各パネルの重なり優先度が同値のときの優先度は以下の通りです。
キャラクターパネル>>>>超えられない壁>>>マーカーパネル>スクリーンパネル>前景
キャラクターパネル同士が重なったときは、「イニシアティブの低いキャラクター」が優先して表示されます。
イニシアティブが同値のときは……分かんない。これは盤面キャラクター一覧の並び順にも同じことが言えるんですけどね。公式では「ランダム」って言われてますけど……
少なくとも確かなのは、盤面キャラクター一覧で下にいるキャラクターほど優先して表示されるということ。
そして、盤面キャラクター一覧ページをリロードしたらある並びで安定したので、なんらかの法則性があることは確かです。キャラクター駒の追加順?名前順?立ち絵のサイズ比率?色々試してみたけどわかりませんでした。それこそランダムに内部値が振られているのかも。
スクリーンパネル同士とマーカーパネル同士も、んまぁそう……よくわかんなかったです……少なくとも、移動させたり編集されたりした順番で優先して表示されるのかな?って感じ。
透明なクリックアクション・スクリーンパネル
たとえばここに、よく見かける、「ハウルルールやらダイスやら戦闘ルールやらの情報を書きこんでね!」的な素材があります。
ですが、これは1枚の画像なので、スクリーンパネルのメモを設定しても、ハウスルールや成長など、各項目での書き分けができません。
そんな時には、「透明なスクリーンパネル」を使いましょう。「画像選択」から「NOIMAGE」を選ぶだけでよいです。
このように、下に置く画像よりも重なり優先度の高い透明なパネルを配置固定しておき、そこにメモを書き込むことで、各項目の画像をわざわざ分けることなく、マウスオーバーで情報の出るパネルを作ることができます。
透明なパネルは他にも様々なことに利用できるので、覚えておくと便利です。注意点として、透明なパネルはマジで透明(当然)なのでどこにあるか見つからなくなることが多いです。部屋作り中は仮置き用の画像を使うなどして工夫しましょう。
ちょっとした時短(パネルの編集)
スクリーンパネルのサイズを編集したいとき。前景をちょっと変更したいとき。キャラクターの表情を変えたいとき。
そんなとき、いちいち「右クリック→編集」の順番で行っていませんか?
実は、該当パネルをダブルクリックすることでも、編集画面へ即座に飛ぶことができます。覚えておくと、ほんのわずかな時短とストレス軽減になります。
ちなみに、クリックアクション付のパネルはこの操作が効かないようになっています。
各変数の優先度
ココフォリアでは、同ラベル名の変数を設定したときの値の優先度が決まっており、「ルーム変数>ステータス>パラメータ」の順番で優先されます。
ルーム変数に「SAN」という変数を設定しておき、値を0にしておくことで、「なぜかSANチェックが全部失敗する!」というシナリオの演出ドッキリなどをしたら面白そうです。
シュレディンガーのキャラクターパネル
キャラクターパネルの駒サイズを、文字、すなわち「NaN(Not a Number)」に設定すると、「盤面に存在するのにサイズが存在しないキャラクターパネル」を置くことができます。
これによって、「盤面に駒を置きたくないけど、盤面キャラクター一覧にステータスは表示したい」という地味に替えの効かない願いを叶えられます。
ただ、これはぶっちゃけバグ技に近いので、もしかしたら近いアップデートで修正されるかもしれません。想定していない挙動が起きたりする可能性もあります。つまり、一応自己責任ということで。
正しい意味では全然シュレディンガー(の猫)ではないです。
あとがき
私はここまでの24,000文字くらいの文章をだいたい5日ぐらいかけてセカセカと書いたわけだけど、後から見返して「本当に読みづれえな……」と感じている。よもや全部読む人間はおるまい、と思いながら気にせず書き散らかしたんだけど、流石に少し後悔した。わりい!
せめて読みやすくなりますように!と半ば願掛け気味にちょこちょこ太字にしたり画像を入れてみたりしたんだけど、それでもなんだか焼け石に水って感じがするなあ……
でもそれ以上に、この1年で培ってきたココフォリア・トリビアを各項目に散りばめたので、ギリギリ新たな発見をしながら読み進められたと思う。というかそうであってほしい。
あと冒頭でも述べた通り、ちょこちょこ書いてなかったり説明が不十分だったりする機能があるんだけども、これは「まあ別にこれぐらいだったら分かるかな!大して面白い仕様もないし」のマインドによるものなので、このせいで理解しづらい機能とかがあったとしたら、それはマジでごめんなさい。
書いてるうちで段々モチベが消えてきて雑になってる部分とかも、もしかしたらあるかもしれない。
まあ誤字脱字とかそういうのも含めて、よければフィードバックください。今後駄文書くときの参考になります。あと、ここに載ってない仕様の質問とかも。けっこうフリーに受け付けているので、いつでもどうぞ。
それじゃあみんな、いいお部屋作り頑張れ!!